交通事故体験 弁護士に相談し調停で解決

ある天気の良い日。私は原付バイクを運転していました。前に走っていた普通自動車が停止したため、それに続き、私も停止しました。どうやら前の車は、更に前の車の右折待ちをしているようでした。しかし、反対車線の車の流れがなかなか止まらず、右折できなかったのです。

その間、私の車線の車はどんどん渋滞気味となっていきました。

しばらくして、反対車線の車の流れがおさまり2台前の車は右折することができました。そのため、私の前の車は動きだし、私も走り始めたのです。


すると突然、私の前に走っていた車の左のウインカーが一瞬光ったと思った瞬間、左折を開始したのです。

左斜め後ろを走っていた私は避けることができず、そのまま左折途中の前の車の側面に突っ込んでしまい、そのまま倒れ込んでしまいました。


運転者は、すぐ先の店舗の駐車場に入りたいと思っていたのに、なかなか動かず進めなかったことにイライラしていたと言っていました。


事故の内容としてはこのような感じです。

警察の実況見分

その結果、幸いにも大きな外傷が見当たらず、救急車は呼ばずに、警察を呼ぶことにしました。実況見分と言うものです。大体時間にして30分くらいで終わります。私自身、大きな外傷は見当たらなかったのですが、首と背中に軽い痛みを感じました。

今後、その痛みがひどくなるといけないので、念のためすぐに病院に行きました。病院では軽いムチウチの可能性があるとの診断でした。そしてしばらく様子を見るよう指示が出ました。その際、湿布と痛み止めの薬をもらいました。

首と背中の痛みが増してきた


次の日から徐々に首や背中の痛みが増していきました。それでも1週間ほどは湿布と薬で誤魔化していたのですが、やはり痛みが続いたため、もう一度病院に行くことにしました。ただその病院ではやはり湿布を出されしばらく様子を見ようと言われたため、他の病院に行くことにしました。


次に行った病院でも、まずは診察を行いました。今までの経緯を説明した結果「リハビリを行いましょう」ということになりました。この日から通算111日もの長期間、リハビリに通うことになりました。もちろん病院にかかる治療費は、相手方の保険会社持ちです。リハビリの費用も湿布や痛みどめの薬の費用も治療にかかる費用はすべて相手持ちです。たまに痛み止めの注射をしましたが、その費用も全て相手方の保険から支払われることになります。

なので、病院にリハビリに行ってお金を払うことは一切ありませんでした。

加害者からの連絡は止めて欲しい

その間、事故を引き起こした相手から何度も連絡がありました。事故の当事者同士が直接話すのは良くないと聞いたことがあったのと、正直、その人とは話したくもないため、相手方の保険会社に連絡し、直接連絡はしてこないようにと言いました。するとそれからというもの、相手からの連絡はなくなりました。

リハビリの毎日

リハビリに通う毎日が始まりました。患部を温めたり、マッサージをすると言ったものです。正直、それが効いているのかどうか分かりませんでした。なぜなら、痛みが強い日もあれば弱い日もあり、不安定だったためです。リハビリ中は確かに気持ちが良いのですが、良かったり悪かったりの繰り返しでした。


それでも続けることが大事だと思い、リハビリに通えるときは通うようにしました。


その間も1ヵ月に1度は、相手方の保険屋から電話が来ました。


「痛みはどうですか?」「病院には通われていますか?」「1週間に何日ほど病院に通っていますか?」「あまり毎日通うよりも痛みの様子を見ながら、1週間に2日程度通うと良いですよ。」


など。


正直、私がどのくらい病院に通うのかは私が決めることです。なので、「痛みがあるうちは通います」と毎回返事をしていました。


そうして事故から約半年程リハビリに通いました。痛みは正直なくなったとは言い切れません。調子の良い時もありますし、特に天気の悪い日、もしくはその前日には強烈に痛むこともあります。


病院側としては「痛みがあるうちはリハビリに通った方が良いですよ」と言っていたのですが、「事故から半年ほど経つと、保険会社の圧力が強くなり面倒ですよ」とも聞きました。正直、保険会社からの圧力はどうでも良いのですが、私としてもリハビリに通う時間を確保するのはなかなか大変なため、半年がキリが良いと考えたため、治療を「停止」することにしました。


病院で言われたのですが、治療には「停止」か「治癒」があるらしく、「停止」であれば、再び痛み始めたときに相手の保険を使いながら病院に通うことができると言ったものらしいのです。「治癒」では、再び痛くなった場合には、実費で来ることなってしまうらしいのです。


というわけで、半年ほど続いた通院を停止することにしました。


示談金の金額を提示されるが納得いかない


通院を停止した私は、自分の保険会社に通院を終わりにしたということを伝えました。そして相手の保険会社にも通院が終了したことを伝えました。


数日後、相手の保険会社から1通の文章が届きました。そこには今回の事故で支払われる慰謝料の明細が書かれていました。

その金額「約70万円」。

この金額が高いのか安いのか普通なら分からないと思います。ところが私の場合、知り合いが私と同じような事故を起こしていたことがあり、どのくらいの金額をもらったのかを知っていました。その人がもらった金額が「約120万円」。この金額は今までの類似した事故の判例を調べ、保険会社と交渉してもらった金額だということも知っていました。

つまり、私が提示された「70万円」という金額は安すぎると感じました。そこで私は、「70万円」の根拠を教えてもらいました。すると事故に対する慰謝料が約40万円、休業手当が30万円、合わせて70万円とのことでした。

慰謝料に関しては決められた金額らしいのですが、休業手当が30万円というのが良く分かりませんでした。すると相手の保険会社は次のように言いました。


「あなたの場合自営業なので、仕事を休んだということが証明出来ないでしょ?なので本来、休業手当は認められないんです。でも私も頑張って会社と交渉をして2ヶ月分は認めてもらいました。」


これを聞いて色々な受け止め方があるとは思うのですが、私の場合は「カチン」と来てしまいました。


「自営業だから休業手当が出ない?」「休んだことを証明できない?」「仕事には十分影響が出ている!」「休業手当が認められないってのは、そっちの会社の勝手な決め事だ!」「2ヶ月分は認めてやったみたいな表現が気に入らない。俺は半年も通いたくもない病院に通ったんだ!」「そもそも2ヶ月分の休業手当で30万円って、俺の収入からすると安いんだけど・・・。」


ということで、相手が提示してきた慰謝料の金額に不満を感じ、弁護士に相談することにしました。実は私が加入している保険には、「弁護士特約」というものを付けていたのです。何か問題があった時に、弁護士に相談してくれると言ったもので費用は無料。ということで今回使うことにしました。

弁護士に相談し交渉が始まった


自分の保険会社に「弁護士特約利用したいんですけど」と話すと、数日後には担当してくれる弁護士を紹介してくれました。同じ町に住んでいる弁護士でした。

すぐに弁護士から連絡があり、「〇月○日、事務所に来てください」と言われ、それに従いました。


弁護士に指定された日、私は弁護士事務所に足を運びました。そこでしたことは事故の様子の聴取でした。そして、赤本?と言われる弁護士の利用する本を参考にし、そこから今回の事故の慰謝料を算出することとなりました。

数日後、弁護士から送られてきた書類に書かれていた慰謝料の金額が「約220万円」でした。保険会社が提示してきた金額が約70万円だったのに対し、大きな開きがあったことに驚きました。

しかし、この金額がもらえるということではありません。この金額はあくまでも私側から相手の保険会社に対して提示する慰謝料の金額と言うことです。このくらいの金額が妥当のはずだという、いわば主張です。主張なので多めの金額を提示するようです。

少なからず、現状提示されている金額よりは多ければ良いと思っていたため、その金額で良いと弁護士に伝え、弁護士は相手の保険会社にその旨を伝えることとなりました。

相手も譲らない だから調停に持ち込んだ


数日後、相手の保険会社からの返答がありました。その結果としては「認められない。やはり70万円が妥当。」とのことでした。


ここで私ができる選択として3つあると弁護士が教えてくれました。

1つ目は妥協して、この金額で和解する。2つ目は調停に持ち込む。3つ目は裁判を起こす。


正直、「妥協はないな」と思っていました。そして弁護士に「おススメはどれですか?」と聞いたところ「調停で良いと思いますよ」とのことだったので、調停をすることにしました。

「調停がおススメ」と言われましたが、調停がどのようなものであるのか全く知りませんでした。

インターネットで調べてみると、第3者を入れ、相手方と話し合いをし、双方歩み寄りを行い妥協点を探していくと言ったものでした。

ただし、あまり詳しく情報が掲載されているページを見つけることができなかったため、不安になった私は弁護士に電話をし、調停とはいったいどういったものなのか?という質問をしてみることにしました。

答えとしてはインターネットと同じような感じでした。

「相手方と話し合いを行います。双方、主張を行います。その際、第三者が客観的に判断してくれます。1回の話し合いで終わる場合もありますが、通常2回~3回程度の話し合いで決着すると思います。」

とのことでした。

裁判は面倒で時間もかかると聞いていたので、話し合いで解決できればそれに越したことはないと思いました。

調停を希望して数日後、弁護士から電話がかかってきて、調停の日程を知らされました。裁判所の混み具合にもよるらしいのですが、約1か月後に第一回目の調停が裁判所で開かれることとなりました。それまで私は特にすることもありませんでした。


しかし、相手方の弁護士から文章が届きました。加害者側の主張が書かれているものです。この内容にはビックリしました。当然と言えば当然なのかもしれませんが、自分が有利になるような内容が書かれていたのです。事故の加害者であることは認めてはいるのですが、スピードを出していないとか、ウインカーはしっかり出したとか、実際とは違った主張をしてきたのです。

初めての調停 取りあえず緊張してみた

調停当日、指定された時間に裁判所を訪れました。慣れない場所なので、変に緊張してしまいました。

私の中で若干恐れていたことは、事故の加害者と顔を合わせることでした。自分が悪いわけではなく被害者だとしても、やはり会いたくないものです。

調停が開かれる数分前に担当弁護士が裁判所に登場。そのまま一緒に待合室に行きました。

しばらくすると女性が来て、部屋に案内されました。その部屋には机といすが4つ用意されていました。

そのうちの1つには既に男性が座っていました。そして私たちを呼びに来た女性が着席。残りの2つの椅子に私と担当弁護士が座ることになりました。

すると、そのまま話し合いが始まりました。

「あれ?相手方は?」

そう私は心の中で思っていたのですが、そんな風に思っている間にも、目の前の話がどんどん進んでいきました。

はじめに部屋にいた男性と、担当弁護士が事故の状況について話をしているのです。時折、確認の質問をされ、私はそれに対し受け答えをしました。

どうやら、はじめに部屋にいた男性は、加害者と被害者の間に入る第3者のようで、更に弁護士のようでした。部屋に呼びに来た女性も第3者のようでした。

つまり、この二人が今回の調停の要なのです。この2人の判断が、この調停での判断と言うことになるのです。


担当弁護士は、なるべく私の慰謝料が多くなるように、色々交渉していました。しかし、実際に私たちが提示した慰謝料は通らないと分かっていたらしく、「本当はこのくらいの金額をもらいたいんだけど、譲歩してこのくらいでどうだろうか?」という内容の話をしていました。

この部屋での会話は10分程度で終わりました。

結局話した内容は以下の通りです。

・こんな感じで事故が起こった
・被害者の主張はこんな感じ
・加害者の主張はこんな感じ
・慰謝料の金額はどうにかならないものだろうか?

と言ったものでした。

一通り会話が終わると、再び初めの待合室に移動しました。どうやら次は加害者側の担当弁護士が、先ほどの部屋で男性と女性に主張をするようでした。

しばらくすると、再び部屋に呼ばれました。結果として、警察から事故の実況見分を取り寄せるということになり、結論は次回に持ち越しと言うことになりました。

結局、この日、加害者本人、そして加害者の担当弁護士と会うこともなく、次回の調停日時を知らされ調停は終わりました。

正直、私が調停に出席した意味があったのかどうかは分かりませんでした。

2回目の調停が近づく

2回目の調停が近づくと、弁護士事務所から封筒が届きました。その中には、弁護士が警察から取り寄せた実況見分のコピーが入っており、それを元にして弁護士が書類を作成してくれていました。

実況見分は事故直後に取られるもののため、情報が正確であるとのことでした。事故から時間が経ってしまうと加害者、被害者の主張は、記憶の劣化により不確かなものになりやすいので、実況見分を参考にした方が正確な話し合いができるとのことでした。


ここで私が思ったのは「そりゃそうでしょ・・・。何で初めから取り寄せなかったんだろう?」ということでした。

実況見分のコピーを見た結果、どう考えても私に非はない状態でした。敢えて非があるとすると「その場にいたこと」くらいなものです。

2回目の調停で決着!

1回目の調停から約1か月後の2回目の調停の日。1回目と同じように、決められた時間の数分前に裁判所に到着していました。時間ぎりぎりに担当弁護士が現れ、前回と同じように待合室に足を運びました。

1回目と同じように、同じ女性が待合室まで呼びに来てくれ、同じ部屋に足を運びました。

2回目も1回目と同様のメンバーで話し合いがスタートしました。

今回は警察から取り寄せられた実況見分を元に、話し合いが繰り広げられました。結果として実況見分を見る限り、私の方の主張が大きく認められることとなりました。とは言っても、私側の主張がそのまま通るわけではありません。相手方が妥協する程度に持っていかなければなりません。そうしないと、裁判になってしまう可能性があります。裁判になれば時間がかかってしまい、何よりも面倒だったので、私としてもこの調停での決着を望んでいました。

なので、多少和解金を下げたとしても相手方が納得できる金額を提示してほしいと思っていましたし、それを担当弁護士にも伝えていました。

担当弁護士も、裁判になっても時間と労力がかかる割に、結局あまり金額が変わらないと判断し、「裁判にならなくて相手が納得できる金額の提示」を行いました。

それが約120万円でした。

この金額に対し第3者は「そんなものでしょうね。」と了承したようでした。

その後いったん待合室に足を運びました。しばらくすると、担当弁護士だけが呼ばれました。どうやら相手方の弁護士と第3者を交えての話し合いのようです。

それからまたしばらくして私が呼ばれました。

部屋に入ると、初めて見る顔が3人いました。

1人は相手方の弁護士。一人は裁判官。一人は裁判官の秘書?のようでした。

そして、調停での結果を報告されました。結果として慰謝料は「約120万円」ということになりました。双方の弁護士にこの金額で良いかを確認し、双方が了承したところで、調停での決定となりました。

数日後、調停で決定した慰謝料が私の口座に振り込まれました。

今回は、保険に付帯している弁護士特約を利用したため一切弁護士費用を支払うことはありませんでした。


事故で揉めたら弁護士に相談した方が良い


初め相手方の保険会社から提示された慰謝料で和解していたら、「約70万円」しかもらえませんでした。しかし、弁護士を通したことで「約120万円」まで慰謝料が増額しました。

その差「約50万円」。

今回の事故で、多少面倒でも弁護士を間に入れたほうが良いということが分かりました。そのため、保険に弁護士特約を付けられるのであれば、付けておいた方が良いと思います。

また、もし弁護士特約が付いていなかったとしても、何かトラブルになった時には、特に自分が被害者になった時には、弁護士を間に入れたほうが良いと思います。


一般的に弁護士を入れた場合、弁護士への成功報酬は賠償額の20%と言われています。

今回私が保険に弁護士特約を付けていなかったとして、弁護士にお願いした場合には、慰謝料として「約120万円」入ってきたのでその20%ですから、「約24万円」が弁護士の報酬となります。それでも「約96万円」が自分の所に入ってくることになるのです。

何もしなくて相手の保険会社の言いなりだったとしたら「約70万円」。弁護士を通せば「約96万円」。その差「約26万円」。

絶対にお得だと思います。

ちなみに弁護士への報酬は完全成果報酬ですので、賠償額が増額しなければ弁護士報酬は0円となることが多いです。一応、その辺りを確認してみてください。

弁護士への報酬は、慰謝料が入ってきてからですので、初めにお金がなかったとしても、慰謝料の中から支払えばよいので問題ありません。


私の場合は、首や背中、腰の痛みにしばらく悩まされましたが、通院した結果、かなり良くなりました。でも、後遺症が残ってしまった方は特に弁護士を通してしっかりと相手の保険会社と渡り合った方が良いと思います。


アヴァンス法務事務所



このページの先頭へ