第3話 限度額の深み

まるで自分のお金のように限度額を20万円まで引き上げた僕には、更にお金に余裕が出来た・・・という感覚に陥っていた。


自分のお金のようで、そうではないお金。


苦労しないで手にするお金。


そういったお金というのは得てして身にならない。

再び電話が


増額した限度額も、すぐに上限に達しようとしていた。


するとまた電話が鳴った。


「深澤貴斗さんのお電話でしょうか?」

そう、取引をしている貸金業者のスタッフからだ。


今度の話では、限度額をなんと50万円まで引き上げることが可能だというのだ。


冷静に考えれば「ちょっと待てよ!」ということになるのだろうが、その時の僕の頭の中に「ちょっと待てよ!」は鳴り響かなかった。


「お願いします!」


こうして、限度額50万円のカードを手にすることとなった。


『返済はきちんとしている。キャッシングカードを使い続けても何も問題はない。自分には正当な理由があるんだ。』


そう、自分に言い聞かせながら。

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