第6話 結婚生活の中で・・・
結婚生活は何もかも順調だった。
しばらくは共働きをしていた。生活費は基本的に僕の収入の中から出していた。もし足りないことがあれば、その分を彼女に出してもらっていた。
結婚した翌年、子どもができ、彼女は仕事を辞めた。家庭内の収入が減り、僕の収入だけで生活をすることとなった。
それでも、贅沢をしなければやっていけないことはなかった。
些細なことから秘密が知られた
ある日、また僕はバカをしてしまった。
毎月の返済の際にATMで発行される貸金業者との取引明細を、家のゴミ箱に捨てそれを妻に見られたのだ。
「なにこれ?」
当然こうなる。
「何に使ってたの?」
答えられるはずがない。君の気を惹きたくて、使っていたなんてあまりにも格好悪すぎる。
「ごめん・・・。」
この一言しか言えなかった。
悲しそうな目で僕を見ていた妻が動いた。
「はいっ」
彼女は自分の預金通帳を僕に差し出した。
「私が結婚するまでに貯めたお金が入っているから、これで返済してきなよ。」
この光景、過去にも見たことがある。そう、以前、母親が僕にしてくれたことだ。
「ごめん・・・ありがとう・・・。」
格好悪い・・・。格好悪すぎる。何やってんだ俺は・・・。
彼女に良い所を見せたくて、再び借金を始めた。それが結局自分の力で返済することも出来ず、彼女にお金を出させてしまう結果に・・・。自分が情けない・・・。
こうして、再び貸金業者との取引は終わった。
毎月妻には1万円ずつ返済すると約束をして。