第2話 キャッシングカードとの付き合い

キャッシングカードで初めてお金を借りた僕の、長い貸金業者との付き合いはここから始まったのだ。


長い長い付き合い。


今思うと、約10年に渡る付き合いだった。


その間、大学を卒業し、就職をし、結婚もした。


『約10年に渡る付き合いだった』というのは既に関係が終わっているということを意味している。まさかこんなに長い間取引を続けるとは思ってもみなかった。


では、話を戻してみる。

簡単に借りられる便利さが故に・・・

簡単に借りられる便利さが故に・・・初めてキャッシングカードを利用して、お金を借りた所まで話を戻してみようと思う。そこが全ての始まりだからだ。


初めてキャッシングマシーンでお金を借りた僕は興奮をしていたのだが、頭のどこかでこう考えていた。


「簡単だな」


その考えが、この後の人生を狂わせていく。

毎月決まった日に返済をしていく。毎月1万円+利息分。


正直、大した利息ではなかった。


その後も、お金が必要と思うと、キャッシングマシーンを利用した。


今までは、少しお金がないなぁと思ったときは「我慢」を選択していたのだが、今では「借りればいいか」という状況になっていた。


それが当たり前となっていた自分に気づいていなかった。

限度額アップの誘い

しばらくすると電話がかかってきた。


「はい、もしもし」


「竹内と申しますが、深澤貴斗さんでいらっしゃいますか?」


「はい、そうですが」


女性の声だった。竹内という女性の知り合いはいない、そう思った次の瞬間彼女はこういった。


「私、ABC金融の竹内と申します。」


・・・?・・・!?なるほど!


始めから貸金業者を名乗らなかったのは、電話を掛けた先が僕じゃなかったらまずいからだ。プライバシーに関わるからだ。


女性は続けた。


「いつもABC金融をご利用くださりまして、誠にありがとうございます。現在、深澤様は限度額を20万円まで増やすことが可能となっておりますがいかがいたしましょうか?」


え!?


現在の限度額は10万円。それ以上は借りることが出来ない。実は限度額に近づいていたため、ちょうど良いタイミングだった。


「お願いします!」


すぐに僕は決断した。

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