過払い金返還物語2 -私と彼と消費者金融-

過払い金返還物語2 -私と彼と消費者金融- 過払い金 返還物語

この物語の主人公は時任愛。43歳。結婚15年目で2児の母。

夫は銀行に勤めている銀行マン。夫の真面目で健全なところに惹かれ結婚した。

今の生活に不満はない。いわゆる「普通」と言われる生活。そんな生活に幸せを感じていた。

でもそんな彼女には、誰にも言えない、いや、言いたくない過去があった。固くて真面目な正確の夫に惹かれたのも、この過去があったからなのかもしれない。

この物語は、彼女がまだ学生だった20年以上も前にさかのぼる。

第1章 始まりは学生時代

始まりは学生時代あの頃からだ。

そう、私がまだ学生だった頃。

周りの友達に合わせたくて・・・。

ちょっと欲しいものを手に入れたいと思っただけ・・・。

だから・・・。

あの時から始まった・・・。

この長いローン生活が・・・。

現在は普通の主婦 でも・・・

私の名前は時任愛。43歳、主婦。今は夫と子供2人に囲まれて、ごく平凡な生活を送っている。お金持ちじゃないけど貧乏でもない。ごく普通の生活。全然不満はない。あの頃に比べれば、今は幸せいっぱいの生活を送っている。

あの頃の私はどうかしていた。

周りの友達と話題を合わせたい一心で、友だちが持っているものを持ち、同じ所へ遊びに行っていた。それはそれで楽しかったけど、その楽しさの裏側には、誰にも言えない事実があった。

そう、あの頃の私は幸せのフリをしていただけ・・・。

学生生活を楽しみたいけどお金がない・・・

学生生活を楽しみたいけどお金がない・・・高額のアルバイトに興味を持った学生時代あの頃というのは、もう20年以上前のこと。高校を卒業した私は、田舎の大学に進学をした。特にやりたいことがあったわけではないけれど、親の勧めに従っての進学。

学校の授業にも慣れた頃、周りの友達は大学よりも遊びといった感じになっていった。私も誘われることがあったが、いつも断っていた。お金がないからだ。

実家は中流家庭だったが、お小遣いをくれることはなかった。さすがにもらうのも気が引けた。生活を送るので精一杯で、遊びに使う余裕なんてなかった。

でも、本心は遊びたい。

だから、アルバイトを始めることにした。まず、アルバイト情報誌を買い、なるべく時給の高い仕事を探した。探しているうちに、ある情報に目が留まった。

「時給1000円」

20年以上も前の話だ。時給1000円は驚くほど高い。他にも探してみたが、これ以上の時給のアルバイトは掲載されていなかった。仕事の内容は喫茶店・・・らしい。若干の疑問を持ちながらも、高い時給にひかれ面接に行くことにした。

第2章 高収入アルバイト それは・・・

面接に行くまでの間、頭の中で想像を働かせていた。

「時給1000円も出すアルバイトってなんだろう?」

答えが出ないまま面接場所に到着。その場所を見てすぐに分かった。これが喫茶店のアルバイトではないことを。派手で大きな看板に、豪華な外観。

間違いない、キャバレーだ。

高額時給は魅力

高額時給は魅力高額のアルバイトの正体はキャバレーだったその当時はキャバレーと言っていたが、今でいうキャバクラのようなものだ。

昔は、昼サロというものがあった。お昼から営業をしているのだ。

客層は、仕事の退職者から、営業の外回りの人まで様々だった。

当時の私は世間知らずだったため、キャバレーと言えども昼間から開店しているから健全なものであると勝手に判断した。何よりも、時給1000円という言葉が、私の背中を強く後押しした。

キャバレーでの出会い

早速次の週から、アルバイトを開始することとなった。初めは抵抗があったのは事実だ。抵抗の正体は、水商売は良くないものという頭の片隅にある固定観念だったと思う。

正直初めは抵抗があった。抵抗というよりも慣れていなかった。初めて会う人と話をするわけだからだ。それもまた来たいと思わせるよう、会話を盛り上げなければいけない。

しかし、ほどなくしてこのアルバイトを楽しんでいる自分がいた。案外知らない人との他愛のない会話が、現実とはまた違った世界にいる感覚を覚えたのだ。

キャバレーでアルバイトを始めて少し経った頃、見知らぬお客さんが来店した。

田舎のキャバレーは常に常連客で、みんな顔なじみ。

一見さんは目立つものだ。

それも、この一見さんは若くてかっこいい。余計目立つ。

これが秀介との初めての出会いだった。

第3章 彼との楽しい生活 でも・・・

彼との楽しい生活 でも・・・秀介は、私が働くキャバレーと同じ繁華街のホストクラブで働く雇われ店長だった。

私は彼に一目惚れをしていた。

なので、付き合うようになるまでには、そう時間はかからなかった。

付き合いにお金は付き物?

付き合うようになってからは、食事に行ったり、遊びに行ったり、とても楽しい毎日だった。

初めのうちは、彼がすべてお金を出してくれていた。

しかし、徐々にその回数は減っていき、私がお金を出すようになった。それでも私は楽しかった。彼と一緒にいられることが嬉しかった。お金はある方が出せば良い。そう思っていた。

その頃私は、キャバレーで1日4時間働いていた。1ヵ月で6万円以上の収入。その当時の学生からしてみたら、かなり良い収入だった。

そのため、私自身の金回りも良くなり、彼の店に言ったり、外食したり、ギャンブルをしたりと、お金のかかることをするようになっていった。

そしていつからか、彼とのデートは、すべて私が出すようになっていた。

ちょっと変だなと思い、彼に聞いてみたところ、実は借金が多くお金がないということが分かった。

一度身に付いた生活習慣はなかなか治らない。今の生活を維持するためには、アルバイト代だけでは足りなくなっていた。そして、彼の勧めで、街の消費者金融でお金を借りることになった。

第4章 街の消費者金融へ

第4章 街の消費者金融へ今の生活を維持するためには、どうしてもお金が必要だった私は、彼に勧められ街の消費者金融に行くことになった。

そもそも、付き合っている彼が消費者金融からお金を借りることを勧めるということ自体、今考えればおかしな話だ。

しかしその当時の私は、彼との付き合いを続けるために必死だった。

勧められるまま消費者金融へ

その当時、現在の大手消費者金融が出始めた頃で、繁華街ではちょっと怖い感じの年配の方が、窓口をしている金利の高い金融屋があちこちにある時代だった。

世間知らずの私は、金利ということ自体もよく分からず、彼に勧められるままAという消費者金融に行った。なぜ、その消費者金融を選んだのかというと、比較的お金を借りやすいということを彼から聞いていたためだ。

お店の前に行くまでは正直抵抗があった。それでも不思議なもので、店内に入り店員の説明を聞き、お金を手にする頃には、「お金を知らない人から借りるという抵抗感」は全くなくなっていた。

その時借りた額は10万円。その当時で言えばものすごい大金。

でも、バイトで1ヵ月6万円以上の収入があるし、毎月の返済額が1万円未満だから、簡単に返済できそうだと思った。

第5章 金銭感覚のマヒ

人間、一度でも楽してお金を得ることを知ってしまうと、その道にのめり込みやすい生き物だと思う。

少なくても私はそうだった。

1件目は抵抗があり、2件目は慣れたもの

1件目は抵抗があり、2件目は慣れたもの消費者金融を利用することに抵抗を感じなくなった1件目の消費者金融からお金を借りるときには抵抗があったのに、2件目からは何の抵抗もなく借りれるようになってしまった。

初めに借りた消費者金融は、「借りやすい」という彼からの話があったので足を運んだ。

しかし、2件目の消費者金融は抵抗感もなくなったせいか、住んでいる所の近くにあったIという消費者金融を選んだ。

初めは「借りやすいから」。2件目にもなると「家の近くだから」と理由が変わっていた。私にとって「お金を借りる」という行為が日常のものになったということなのかもしれない。

AもIもメディアで宣伝をしている大きな消費者金融だった。女性の私でも入りやすい雰囲気のお店だった。

時間の経過とともに増える借金

時は流れ、気が付くと3社目の消費者金融にお世話になっていた。ここも大手。

初めは簡単に完済できると思っていたのに、1社目すらも完済できず、ズルズルとお金を借りる日々。

完全に感覚がマヒしてしまったのだろう。

でも、その当時の私は「お金が無くなってきた⇒次の消費者金融」という考えしか浮かばなかった。

第6章 利息の恐怖

結局彼と付き合っている間に、4件の消費者金融と契約をした。

世間知らずだったとはいえ、契約をしたのは私自身。

全て私の借金だ。

少しずつ社会というものに目を向けられてきた

少しずつ社会というものに目を向けられてきた社会に出て、ようやく視野が広がってきて、自分の問題に気づき始めた。学生だった私も大学を卒業して就職をすることで、少しずつ大人の考え方に変わってきた。

彼は女癖が悪く、金遣いも荒い。

冷静に考えれば、すぐにでも分かることなのに、社会人になってようやく気付いた。

自分の彼女に消費者金融からお金を借りるように勧めるなんて・・・。

やっと気づき3年ほどの彼との付き合いを終わらせることにした。

別れ話のきっかけとしてお金の話を切り出し、もう全くお金の当てがないと話すと、すんなりと別れを受け入れてくれた。

「金の切れ目が縁の切れ目」とはよく言ったものだ。

彼とは別れ、残ったのは借金。

借金返済のため、再び夜の町へ

借金返済のため、昼はOLとして働き、夜は繁華街のお店で働き続けた。借金返済を目的とした人生。

借金が無くなったらああしよう、こうしよう。

おかしなことに、借金返済が人生の夢であるとさえ思えるほどだった。

しかし、昼夜働いていたのにも関わらず、なかなか借金返済の目途は付かなかった。返しているのはほとんどが利息分。この時、利息の怖さを痛烈に実感した。

第7章 更なる深みへ

第7章 更なる深みへ会社で働き始めて数年後、新しく彼氏が出来た。

彼の名前は和弘。同じ会社の同僚。週に2日~3日外食をしていた。

ここまでは普通のカップルと同じ。でも決定的に違うことがあった。彼には家庭があったということ。そして、その家族と私はとても仲が良かったこと。

非常識と分かっていても、好きになると周りが見えなくなってしまう。好きになった相手が全てになってしまう。

彼が突然会社を辞めた

しばらく彼と付き合っていたが、彼は会社を突然辞めてしまった。理由は、元々おこなっていた自営業への未練を捨てられないということでだ。

しかし実際のところは、会社での業務やストレスに追われ、精神的に追い込まれていたようだったのだ。

精神的に弱っている彼を少しでも勇気づけようと、出来る限り時間を割いて彼に会うようにしていた。そのため、外食が増え出費も増えていった。

OLとして働いている間に、借金を返済しながら、少しずつ貯めた貯金も、このような生活をしているうちに底をついてしまった。

初め消費者金融に行ったときは学生だったため、借りられる額も少なかったが、社会人ともなると1社につき50万円は借りることが出来た。

最終的な借金の額は300万円を超えていた。

彼の心の闇の原因は・・・私?

ある日気づいた。

精神的に勇気づけようとして彼に会っているが、それが原因で余計病んでしまっているのではないかと。実際、結婚していない私にとっても不倫は精神的に大きな負担となっていた。それが家族を持っている彼ならなおさらではないのか。

そう考えたときふと頭をよぎった。

「私、何やってるんだろう・・・。相手には家族がいて、その家族と私は仲が良くて、それなのにその家族の中心と不倫をしている・・・。どう考えてもおかしいよ。」

冷静になった私は、少しずつ彼との距離を置いた。

そして、数か月後、私は会社を辞め、実家のある鹿児島に戻った。

第8章 同僚との食事で思わぬ自体が

実家に戻った私は、借金の返済を最優先事項と捉えた。

就職し、ひたすら働いた。昼も夜も。

毎月、少しでも多く返済できるよう、節約の日々を送った。

それでも、返済しても返済してもなかなか減らない借金。

同僚との食事

ある日、同僚に食事に誘われた。

たまたま夜の仕事がない日で、息抜きの意味を込め出かけることにした。

同僚との食事借金以外にも更なる深みへ・・・昼も夜も働いているため、会社の同僚と社外でコミュニケーションを取ったことがなく、何を話して良いか分からなかった。取りあえず、他愛のない話をしていた。

そんな他愛のない会話が、借金の事を忘れさせてくれ、久しぶりに楽しく過ごせた気がした。

すると同僚の口から

「いつもの表情とは違って、今日の表情はとっても明るいね。なんか仕事で悩みでもあるの?」

と言われた。

「なんか入社した時から表情がすぐれない感じがして気になっていたんだよね。」

今日誘ってくれたのも、毎日、疲れている表情を見せている私を気にかけての事だった。

本当は借金があることを誰にも話すつもりはなかった。でも、その反面、借金の苦しさを誰かに共有したい、吐き出したいという思いがあった。誰かに話さないとやっていられないくらいがんじがらめになっていた。

重い口を開き、借金の事を話し始めた。

『もうどうなってもいい。この同僚が会社で言いふらして、私の居心地が悪くなったら辞めてやる。』

そんな気持ちと、誰かに聞いてもらいたい気持ちがぶつかり合いながら、今までの経緯を話し始めた。

意外な提案

意外にも同僚は真剣な面持ちで話を聞いてくれた。一通り話を聞き終わった後に、同僚が口を開いた。

「大変だったね。経験があるから分かるよ。」

意外だった。こんな近くに同じような経験をした人がいるだなんて。

続けて同僚は言った。

「過払い金発生しているんじゃない?取りあえず司法書士か弁護士に相談して過払い金が発生しているか調べてみたら?案外払い過ぎているケースって多いよ。」

「カバライキン・・・?」

そこで初めて過払い金返還請求の事を知った。

最終章 過払い金返還請求・・・そして・・・

会社の同僚に借金の話をすると、過払い金返還請求の事を教えてくれた。同僚も過払い金返還請求の経験者だったのだ。そして、代理人を紹介してもらえることになった。

代理人がどんどん動いてくれた

代理人がどんどん動いてくれた代理人が貸金業者に交渉をしてくれた紹介してもらった代理人に会い、事情を説明してた。その時の話で印象に残ったのは、私のように、多くの消費者金融からお金を借りている例は数多くあるとのことだった。そして、初めの話し合いの後、とんとん拍子に事は運んで行った。

まず今まで契約していた消費者金融をリストアップした。現在契約しているのは1社のみ。今まで契約していたのは3社。この3社には既に完済している。この完済している消費者金融に過払い金返還請求を行うことになった。

私自身、良く詳しいことは分からないが、それでも代理人の方が色々詳しく説明してくれ、全て代理人が交渉を進めてくれた。たまに電話がかかってきて、状況を教えてくれた。

そして数か月後、結論が出ることになる。電話でも聞くことは出来たのだが、今まで代理人にお世話になったというのと直接話を聞きたいと思い、代理人の事務所に足を運ぶことにした。

代理人事務所での結果報告

数多くの書類を広げ、説明が始まった。

「過払い金返還請求を3社に行いました。結果、戻ってきた金額はこの金額です。」

書類に目を向けると、ものすごい金額が書かれていた。

「え!?」

『約200万円』。あまりにも長い間、そして多額を借金をしていると、このくらい過払いしていることも珍しくないらしい。

「まだ、借金している消費者金融ありますよね。200万円から私の代理人報酬を引いても160万円残ります。そのお金で完済してはいかがでしょうか。」

体が震え身動きが取れなかった。過払い金の額が物凄かったということもあるが、これで借金生活から抜け出せるという安心感が一気に押し寄せたためだ。そして自然と涙が出た。

翌日、借金をしていた消費者金融に出向き、残りの借金を返済した。これで完全に借金が無くなった。何とも言えぬ解放感に包まれた。

借金が無くなってからの私

今思い返せば、借金生活に踏み込んだのも人の影響を受けたためであり、借金生活から抜け出せたのも人からの助言だった。ただ、決定し行動に移したのは自分自身だ。人生は自分の判断で大きく左右する。そう強く感じた。

その後は、真面目な男性と出会い、結婚し、子どもができ、今の生活となるわけである。

「人生は経験だ。無駄な経験はない。」という人もいるが「経験する必要のないこと」もあると思う。

ただ、過払い金返還請求に救われたというのは言うまでもない事実だった。

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